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島田秀平【13階段の話】

 

13階段のあるアパートの201号室には怨霊が出る。これは、島田秀平が話した怪談話です。

有著第十三階樓梯的公寓的201號室出現了怨靈。那是由島田秀平所敘述的恐怖故事。


島田秀平の後輩芸人が、下北沢でアパートを探していました。下北沢周辺の部屋の家賃は11万とか12万とかが相場。なのに、あるアパートの階段を上がってすぐの201号室は、家賃が8,200円。不動産屋さんいわく、アパートの階段を上がってすぐのこの201号室は、一年で4人の人が入居したが、そのうち3人は入居してから2週間もしないうちに夜逃げするようにアパートを引き払い、残りの1人は窒息死して遺体で発見されたとのこと。それにもかかわらず、島田秀平の後輩芸人は、ネタにもなるだろうと思って、このアパートに住み始めてしまいます。

島田秀平的後輩藝人,在下北澤這個地方找了一棟公寓。下北澤附近的套房租金幾乎都要十一萬至十二萬出頭。但這棟公寓,在上了樓梯後馬上就能看到的201號室的租金卻只要8200元。聽房屋仲介說,這間套房一年內曾有四個不同的人租過,其中三人住不到二個星期就連夜逃離這棟公寓,而剩下的那一個人則是被發現窒息死亡在套房中。但島田秀平的後輩藝人聽了之後卻不以為然,反而覺得這個可以當作表演的題材,而決定住進了這間套房。


そのアパートに引っ越した当日、荷物運びに疲れた彼はついうとうとしてしまい、気がつくと、時計はすでに2時22分に。すると、こんな夜中なのに下から幼稚園児くらいの子供が大勢走りまわっている音がするではないか?!次の日、またも彼は2時22分に目が覚めます。その日は女の人の靴の音が聞こえました。その次の日も、そのまた次の日も、彼は2時22分に目が覚めると、女の人の靴の音が聞えます。しかも、靴の音は日に日に一段ずつ上まで上がって、彼の部屋に近づいてきます。ここで、彼は気づきます。このアパートは13階段。だから2週間以内で……。

 

在搬入這間套房的當天,他因為搬運行李太過勞累而不自覺地睡著了,醒來時,才發現都已經二點二十二分了。但仔細一聽,似乎聽見了在這麼晚的深夜時分,樓下竟然傳來幼稚園的小孩子們的跑步聲?!隔天,他又在二點二十二分醒來,而這次則是聽見了女人的高跟鞋的聲音。同時他也注意到那個聲音竟一天一階樓梯地往上,正逐漸地往他的套房逼近!然而,這棟公寓的樓梯只有十三階,因此在二個星期以內……

それでも彼は住み続けますが、引っ越してから12日目、今度は大人数の男女が階段を駆け上がったり、駆け下りたりする音がしたと思ったら、全員で玄関をたたき始めたのです。これにはさすがに彼も恐怖を感じ、13日目の夜を迎える前に引っ越すことに決め、友達を呼び、部屋中にお札を貼って荷物をまとめます。気づくと時刻は2時22分になっていました。すると、急にブレーカーが落ちます。友達は彼にブレーカーを上げるように言いますが、彼は急に下にうずくまってうなり始めます。なんと、彼は部屋に貼っていたはずのお札をのどに詰らせていたのです!慌てて救急車を呼び彼は一命を取り留めますが、友達がいなければ彼は確実に窒息死していたはずです。

 

但是即使如此,他仍然沒有搬離那裡,從搬進201號室至今已是第十二天,這次聽到的是很多人有男有女在樓梯衝上衝下的聲音,正當他這麼想的同時,那些人竟然又全聚集在他的門前開始敲打房門。這件事讓他第一次感到了恐懼!因此他決定要在第十三天晚上之前搬離這棟公寓,也叫了朋友來幫忙在套房牆上貼了符之後開始整理行李。但等到注意到時間時,竟又是同樣的二點二十二分!這時,電匣突然落下,他的朋友叫他去把電匣拉上,而他卻突然趴倒在地。不可思議的是,應該是貼在套房牆上的符咒此時卻是被插在他的喉嚨裡!他的朋友急忙地叫救護車來才救了他一命,當時若是沒有他的朋友在他身邊的話,那麼他就真的會窒息死在201號室裡。

 

部屋の違和感

 

これは、とある男性の身に起きた出来事である。
その男はいつものように仕事を終えて帰宅した。
一人で暮らしている我が家。

 

這是由一位男性自身發生過的親身經歷。

這個男人這天也和往常一樣,結束了工作後就直接回到一個人住的房子。


普段と変わらない質素な部屋だったが、今日はなぜか違和感がある。
どこがどうというわけではない。
自分以外の誰かが部屋に入ったような気がする…

 

但是和平時沒有兩樣的房間,今天卻感覺到了一點點微妙的異樣感。

並不是說哪裡變的不一樣了

而是似乎感覺到有自己以外的人來過這房間的氣息


留守中に知人が入ってくるということはまずない。
「だとしたら泥棒か?」
と思ったが貴重品はいつも持ち歩いているし、部屋に盗まれるよなものは何もない。
きっと気のせいだと思い、その日は深く考えないようにした。

 

首先想到的熟識的管理員並沒有進來過房間裡。

「難道是小偷?」正當他這麼想的時候,卻也想起,貴重物品他一直都是帶在身上的,房裡根本沒有任何有價值的東西。他便覺得一定是自己想太多了,而沒有再深入思考下去。


しかし、次の日もその次の日も同じ違和感がその部屋にはあった。
さすがに不審に思った男はこの部屋には何かあるのかもしれないと思い、部屋全体が見える位置に隠しカメラを設置した。


但是,到了隔天,竟仍然有著和昨日相同的異樣感!而這次,為此感到疑惑的男人不禁想到,或許真的有什麼在這房裡,因此他在能看的到整個房間的地方藏了一個攝影機。


そのあくる日、家に帰宅した男はカメラの映像を再生してみる事にした。
しかしカメラには何も映っておらず、
「やっぱり気のせいか…」
そう思い、それでも最後まで見てみる事にした。

 

再隔天,男人回到家後,立刻將帶子放出來看。

但是卻沒有看到什麼可疑的東西

「果然是我想太多了嗎…」

男人抱著這個想法,仍然把帶子看到最後。


早送りで眺めていると、なんと長い髪に白い服をまとい、鎌を持った女が部屋に入ってきた
男は驚きながらも映像を見ていると、女は自分の後ろにある押入れを開けて中へ、やがて映像は、自分が帰宅するところで終わりました。

という事はあの女は!!!!!

 

在快速放送的帶子中,竟然出現了身穿白色衣服拿著鎌刀的長髮女人進到房裡…

男人嚇了一跳又繼續往下看,那個女人就在自己身後的衣櫥裡!而帶子播放到自己回到家中的地方後結束放映。

 

這麼說的話…那個女人!!!!

 

 

母からのお守り

 

貧しい母子家庭ながらも仲が良く、助け合って生活していた母娘。
母親は娘を育て、大学を卒業するまで一所懸命に働き、娘は家事の手伝いをしながら勉強を。
そして大学受験の時、母親は手作りのお守りを娘にプレゼントしました。

 

有一對貧窮卻仍然感情很好的母女住在一起。

母親為了培養女兒,在女兒大學畢業前努力地工作,而女兒則是在家一邊幫忙分擔家事一邊唸書。

到了大學入學考試這天,母親親手做了護身符送給了女兒。


母「頑張ってね。これはお母さんからのお守り」
娘「ありがとう。大事に持っていくね」
母「気をつけて。お守りって中身を空けると効果がなくなるから空けちゃだめよ」


母親:「加油喔!這是媽媽為你做的護身符。」

女兒:「謝謝,我會很珍惜地帶著的。」

母親:「路上小心,還有,這個護身符若是把裡面的東西拿掉的話就會沒有效用了,千萬不可以把裡面的東西拿掉喔!」


娘は母親を心から感謝しました。
そして大学にも合格し、その後も勉強を怠ける事なく大学生活を終え就職。
やっと社会人になり、初任給で母親へ旅行をプレゼントしました。

女兒滿懷感激地收下護身符去應考,也如願地考上了大學,再之後也十分用功地渡過大學生活。
在終於出了社會工作之後,拿到了第一份薪水就給母親去旅行當作禮物。


ところが何と、その旅行途中で大切な母親は、不慮の事故で突然この世を去ってしまいました。
いきなり一人ぽっちになってしまい、悲しみに暮れた娘には母の形見すらない。

卻沒想到,最重要的母親竟在旅行途中不幸發生意想不到的事故去世。

突然變成了自己一個人寂寞且悲傷地生活的女兒連母親的最後一面都見不到。


その時、受験の時にもらったお守りを思い出し、娘は母親の「空けるな」という言いつけも忘れ、急いでお守りを開けてみた。
中には紙切れが。
そしてその内容は…


『死ね』


這時,她突然想到了母親所送給她的護身符,也幾乎要忘了母親當時所說的「不要把裡面的東西拿掉」的話,便急忙地將護身符拆開,並拿出裡面的紙,那紙上竟寫著…

 

『去死!』

 

 

死んだ幼児を抱いて歩く女

 

<あれ、あの女の人、いったい誰?>

<啊勒?那個女人,到底是誰?>


社宅の前の公園で、おなじ社宅に住む主婦仲間と話に夢中になっていた私は、少し離れた場所でしゃがんで土をいじっている三歳のひとり娘・まなみのほうに目をやった時に、心の中でそうつぶやきました。

在社區前的公園裡,正當我和住在同社區的太太們聊天聊的正盡興,將視線轉向離在這裡不遠的土堆裡玩耍的三歲獨生女的麻奈美身上時,心中浮現了這個想法。


見知らぬ女性が、まなみを見下ろすように横に立っているのです。
女性は後ろ姿でしたが、なんとなく初めて見る人だと思いました。
また、まなみもその女性のほうに目を向けたまま身動きひとつしないことに気づき、おかしいなと不安をつのらせました。


一個沒有見過的女人,正站在麻奈美的身邊不遠處。

雖然那個女人是背對著我們,但再怎麼說還是能夠知道那是沒有看過的人。

而且我也注意到麻奈美竟然就這樣看著那個女人一動也不動,令我感到一股不安的疑惑。


「ねえ・・・・・あの人、誰かしら?」

「吶・・・・・有沒有人知道,那個人是誰啊?」


私は主婦仲間の友達にそう尋ねてみましたが、誰一人として、その女性のことは知らないようでした。

我問了這群主婦朋友們,但卻似乎沒有人知道那個女人是誰。


「ごめん、ちょっと、まなみをつれてくるわ」

「不好意思,我先去把麻奈美帶過來。」


私は心配になり、娘を連れにいきました。
まなみのほうに近づくにつれ、ますます不安感は増していきます。
女性を見ているまなみの顔が真っ青に青ざめています。
そして、母親の私が近づいていくにもかかわらず、娘は視線を動かそうとしません。
私は足早にまなみのところに駆け寄り、抱き上げました。
その身体は、まるでプールから出てきたばかりのように冷えきっており、ガタガタと小刻みに震えていました。

我因為擔心而想去把麻奈美帶過來。

但越是接近麻奈美,就越來越不安。

我發現麻奈美正臉色發青地看著那個女人!

而且,即使是身為母親的我正在向自己走近,女兒的視線仍然沒有變動。我立刻奔向麻奈美並將她抱起來。

女兒的身體就像剛從游泳池裡出來似地冰冷且不停地顫抖著。


「どうしたの、まなみ・・・・・・大丈夫?」
と、まなみの背中をさすりながら、その女性のほうに振り返った時でした。
私は、自分の見ているものがすぐには把握できませんでした。
あまりにも現実と隔たりがあり、それがいったい何を意味するのかわからなかったのです。


「麻奈美你怎麼了?沒事吧?」

我一邊拍撫著女兒的背一邊問著,同時也將視線轉回那個女人身上。

我沒有辦法立刻說出自己究竟看到了什麼。

事實上是有點脫離了現實的感覺,我無法理解那究竟是什麼東西。

 


その女性は、腕に幼児を抱えていました。
それも死んだ幼児です。
全身が血まみれで、手や足は枯れ枝のように細く、血でべったりと濡れた頭とともに女性の腕から力なくだらりと垂れ下がっていました。
半開きの目には白目しかなく、口からあふれだした血がポタリポタリと地面に落ちています。
私は、この穏やかな晴れた日の午後に、こののんびりした公園に、なぜこんな光景が存在するのか、この女性がどこから現れたのか、混乱と恐怖が入り交じって、どうしていいのかわからなくなりました。
そして、しだいに恐怖心に大きく全身を包み込まれ、ブルブルと身体が震えだしました。
私は、とにかくその場を離れようと、主婦達のいるほうへ逃げるように駆けていきました。

那個女人的懷裡抱著一個死掉的嬰兒。

而那個嬰兒全身染血,手腳也細得像枯枝一般,與血淋淋的頭就這樣無力地垂掛在女人的手臂上。

半開的眼只看的到眼白,大量的血正從他口中滿溢而出,滴滴答答地落在地上。

我對於為何會在如此平常的午後天晴時光,在這悠閒的公園中,會出現這樣的景象感到疑惑,而那個女人又是從哪裡來的,頓時心中充滿了混亂與恐懼,完全不知道該怎麼辦才好。


「どうしたの、そんな真っ青な顔して」

「怎麼啦?臉色那麼難看」


と、私の表情を見た主婦達が心配そうに聞いてきました。

社區的太太們見到了我的表情後擔心地問。


「あの女の人・・・・・・あの女の人、へんなの・・・・・抱えてる子供がね・・・・・・」

「那個女人・・・・・・那個女人好奇怪・・・・・・而且抱著的小孩也・・・・・・」


そういいながら、女性を指さそうと私は振り返りましたが、その女性の姿はどこにもありません。

我一邊指著那個女人的方向這麼說著,但那個女人早已不見蹤影。


「あれ?ねえ、さっきまであそこに立ってた女の人・・・・・どこ行っちゃったの?・・・・」

「咦?吶~剛剛站在那裡的女人・・・・・・到哪去了?・・・・・・」


主婦達は、その女がどこに行ったかなど気が付かなかったといいます。
私は、その女性が抱いていた子供のこと詳しく主婦達に話しましたが、みんな、ただ笑うだけで信じてくれる人は誰もいませんでした。
「玲子さん、ちょっと疲れてるんじゃない?」
と、苦笑いされるだけです。
私は娘のまなみに何もなかったことにホッとしましたが、しばらくあいだ、その女性の腕に抱えられた子供の姿が忘れられませんでした。


社區的太太們都說沒有注意到那個女人去了哪裡。

我將方才看到的那個女人抱著的小孩的事詳細地跟她們說了,但大家也只是笑了笑並沒有人相信。

「玲子,你應該是累了吧?」

聽到她們這麼說,我也只能回以苦笑。

我對於女兒麻奈美沒有發生什麼事而鬆了一口氣,過沒多久,那個抱著小孩的女人的樣子也逐漸被遺忘。


ところが、それから数日後、私は再び、その女性と出会う事になったのです。
ある日の夕方、娘を部屋に置いたまま近くのクリーニング店まで夫のワイシャツを取りに行き、帰ってきたときのことです。
クリーニング店から十分ほどで戻ってきた私は、まなみが居間にいないのに気づきました。
娘の名前を呼んでみましたが、返事は返ってきません。

就在那之後又過了幾天,我又再次看到了那個女人!

那是在那一天所發生的事,那天在接近晚上的時候,我將女兒安置在房間之後,便去了附近的乾洗店取回丈夫的白襯衫。

從乾洗店回來也只過了十分鐘,麻奈美卻不在原本安置的房裡。不管我怎麼叫著女兒的名字都沒有回應。


「まなみ?・・・・ねえ、どこにいるの? 隠れてないで出てきて」

「麻奈美?・・・・吶,你在哪裡?不要躲了快出來 」


急に心配になった私は、奥の寝室まで探しに行きました。
そして、寝室のドアを開けたとき・・・・・。
私は冷や水を浴びたかのような恐怖とショックを受けて、その場に立ち尽くしました。


我突然著急了起來,往更裡面的房間找去。

當我打開寢室的房門時・・・・・。

便看到了令我全身發冷的驚恐景象,我當下像是被當頭澆了桶冷水似地釘在那裡。


きちんと鍵をかけて外出したはずだったのに、いつのまにか例のあの女性が入り込み、まなみと一緒にそこに立っていたのです。
この前と同じように左手には死んだ幼児を抱えており、そして右手ではまなみの手を握って、窓の外に連れ出そうとしています。
女は私のほうに振りかえりましたが、顔はまったくの無表情でした。
私は、まなみをなんとか奪い返さなければと、ガタガタと震える身体を無我夢中で動かして、その女に体当たりしていきました。
女は思わずまなみの手を放し、壁にもたれかかりました。
私は、放心状態のまなみを素早く抱えあげると、台所のほうに逃げるように出て行きました。


明明是很仔細地鎖上了門才出去的,卻為何那個女人會和麻奈美站在那裡?

和之前一樣,女人左手抱著死掉的嬰兒,而右手則握著麻奈美的手要從窗戶將她帶出去。

女兒轉頭看向我,臉上完全沒有任何表情。

我一心只想著不把麻奈美搶回來不行,原本只能顫抖的身體無意識地自己動了起來。

沒想到我一碰到女人的身體,她就放開了麻奈美並往牆上靠去。

我當下立刻抱住無意識的麻奈美衝出房間往廚房逃去。


台所からその女性のほうを見ると、無表情なまま、壁の中にスーッと消えていったのです。

從廚房看到那個女人就這樣面無表情地一下子消失在牆上。


私は、その後すぐにその社宅を出て、賃貸マンションに引っ越しましたが、その後、その女性が社宅周辺に現れているのかどうかは知りません。

在那之後,我便立刻搬出了那個社區,並用貸款租了間公寓。至於那個女人還有沒有出現在那個社區,我就完全不曉得了。

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